押し出しのコマンドを使う際、Keep Faces Together(フェースの一体性の維持)というパラメータがあります。
これがOnになっていると、複数のフェースを選択して押し出した場合に選択したフェースどうしで一体になって押し出されます。
Offになっていると、フェースごとに独立して押し出されます。
この機能を初めて習ったとき、何の使い道があるの?と思いましたが、調べてみると色々と実用的な使い道があったので、備忘録として記事にまとめておきます。
フェースの一体性の維持をOffにすることで作ることができる形状
①人間の指5本を簡単に作れる
まずはキューブを生成し、適当にフェースを五つに分割
側面の五つのフェースをすべて選択し、押し出し
このとき、Keep Faces Together(フェースの一体性の維持)をOffにして、青色矢印をドラッグする
(ちなみに、押し出しの際はワールド座標ではなくローカル座標に設定すること)
押し出しした後、押し出されたフェースを個別に選択し、移動ツールで動かす
フェースの一体性がない状態なので、押し出した五本の柱が根本以外は独立して動かすことができる
それぞれのフェースを適当な位置に移動させたら、手の指のような形状ができる
手のモデルを作成するときの足掛かりを簡単に作ることができるので、覚えておきたいです。
②手榴弾の形状を簡単に作れる
シリンダーを生成し、高さ方向に分割を入れる
頂点を移動してそれっぽい形状を作る
側面のフェースをすべて選択し、押し出し
もちろん、Keep Faces TogetherはOffにする
青色矢印を手前にドラッグしてフェースを押し出す
オフセット値を変更して、押し出したフェースの面積を小さくする
これで、手榴弾のパイナップル形状ができる。
③ウニみたいな形状を簡単に作れる
スフィアを生成し、フェースをすべて選択
Keep Faces TogetherをOffにして、押し出し
オフセット値の変更か、赤矢印と緑矢印の先にあるボックスをドラッグすることで、押し出したフェースを小さくして尖らせる
これでお手軽にウニみたいな形状ができる。
④斜めの賽の目の穴模様を作れる
プレーンを生成し、すべてのフェースを選択
Edit Mesh→Pokeでエッジを図のように分割
エッジが斜めの賽の目になるように、エッジを消去する
すべてのフェースを選択し、押し出しコマンドでフェースをオフセット
オフセットしたフェースを消去
これで賽の目模様のフェースができる。
おしゃれな柵とか作りたいときに覚えていると役に立つはず。
さいごに
ざっと思いついた形状を挙げていきましたが、他にもいろいろな応用ができると思います。
おそらく今後も多用していくスキルになると思うので、息を吸うように使いこなせるようになりたいです。