巷で人気のイラストAIを使って、メカキャラクターのイラストを描いてみました。
今回使ったのは、NovelAI Diffusion という画像生成サービス。
クオリティの高い女の子のイラストを生成してくれることで有名ですが、ロボットのイラストの方はどうなのよ?と思い立ち、
3DCGモデラーとしては、3DCGモデリングするにあたってのリファレンスとして利用できないかと考え、AIによるユニークなメカのイラスト生成を試してみました。
今回は、NovelAIによるメカイラスト生成をある程度試してみて感じたことを紹介していきます。
イラストの女体化を回避する:対策しても完全な回避はできない
NovelAIでメカイラストを生成するにあたって問題になるのが、適当なプロンプトでイラスト生成するとイラストを女体化してしまう確率が高いことです。
特に何も考えずに出力すると、結構な確率でムチムチなイラストになってしまう
女性的な特徴をメカデザインに盛り込むことが目的なら問題ないのですが、大体の場合はノイズになるので、回避するための対策はしておきたいところ。
私が女体化を回避するために使っているネガティブプロンプトは以下の通り。
三面図の作成:作れるには作れるけど、微妙
3DCGのモデリングにあたって、リファレンスに三面図があると正確なモデリングがしやすくなるので、三面図をAIで生成できたらとても便利なはず。
三面図を出力することができるプロンプトがあるとのことなので、試してみました。
これらのプロンプトを使って精度の高いメカキャラクターの三面図が生成できないか試行錯誤してみましたが、
いい感じに三面図のメカキャラが生成されたと思ったら、所々のデザインの整合性がとれていなかったり、キャラクターの正面図が欲しいのに、正面から微妙に角度の付いたイラストが生成されたりと、欲しい結果を得ることは難しいことが分かりました。
メカキャラクターは絵の特徴が多い分、同じキャラクターの別アングルの整合性のとれたイラストを出力するのは難しい傾向にあるようです。
ちなみに、画像サイズを横長に指定することで別アングルの立ち絵が複数並ぶイラストが生成されやすくなります。
うまくいった作例
自分的にうまくいったイラストの作例を紹介します。
短足で胴体と顔が一緒になった、かわいい系のロボットのイラストを生成したいという発想からスタートしました。
{robot}, {{{body with big eye}}}, short legs, {{no head}}, blue, {{masterpiece}}, {{ultra-detailed}}, fullbody, white background, s-1926049624
ここから何度か試行回数を増やしていき、
{robot}, {{{body with big eye}}}, short legs, {{no head}}, blue, {{masterpiece}}, {{ultra-detailed}}, fullbody, white background,s-2667520113
丸い球体が両肩についたロボットの生成に行き着きました。
このシルエットをうまく使えないかなと考え、この画像をUpload Image機能を使ってイラストのベースにし、プロンプトを変えて出力したところ、
{robot}, {{{body with big eye}}}, short legs, {{{no head}}}, white, tweeters on both shoulders, {{masterpiece}}, {{ultra-detailed}}, fullbody, white background, s-1981130605
両肩に巨大なツイーターを装備したロボットのイラストが生成されました。
この時点でけっこう良いイラストができたと思いましたが、胴体を顔に見立てて表情を出したいと考え、Edit Image機能を使っもう一工夫を入れたところ、
{robot}, {{{body with big eye}}}, short legs, {{{no head}}}, white, tweeters on both shoulders, {{masterpiece}}, {{ultra-detailed}}, fullbody, white background, s-3546687016
胴体に感情を表現できるようなディスプレイのついたロボットのイラストが生成できました。
少ないプロンプトでたどり着いたイラストなので行き当たりばったりの再現性のない出力結果ですが、こういうやり方もあるということで何かの参考になれば幸いです。
使ってみた感想
今回NovelAIを使ってメカキャラクターのイラスト生成に挑戦しましたが、メカキャラクターも問題なく生成できることが分かりました。
ロボットの関節などの細かい部分のデザインは大雑把ですが、ざっくりとしたコンセプトアートとしては使い物になりそうだと思います。
ただ、NovelAIだと全体的にアニメ調のイラストになってしまうので、リアル寄りのメカイラストを生成するのは不向きであると感じました。
リアル寄りのメカを求めるのであれば、Mid journeyかStable Diffusionを使った方がいいと思います。
イラストAIは今後も発展を続けていくと思うので、クリエイター寄りの仕事をしている人にとっては無視することのできない技術であると実感しました。