デジタルハリウッドの3DCG卒業制作発表会を見学したらいろいろ衝撃を受けた話

3DCGスクールについて

2020年10月末にデジタルハリウッド本科CG/VFX専攻・専科3DCGデザイナー専攻の2019年9月生(私の一つ上の先輩方)の卒業制作発表会がYoutubeで生放送で行われていたので、見学してきました。

私はデジハリに入学したばかりで、学習のモチベーションを高めるためにもと参加したのですが、あらゆる意味で衝撃を受けたので、自分の心に刻むべく記事にした次第です。

以下にあてはまる方にとっては重要な内容となりますので、ぜひ最後まで見ていただけるとうれしいです。

✔3DCGを学ぶためデジハリに入学することを検討している方
✔デジハリ3DCG専攻(本科・専科)に入学して間もない方

卒業制作発表は一見の価値あり。良くも悪くも現実を知ることができます

内容は、それぞれの学生が制作したデモリール(自身の映像作品をまとめたもの)を大勢の前で再生し、担当講師の方に講評してもらうというもの。一人あたりのデモリールの再生時間は1~3分程度。

一年間で学んだことの集大成を発表する、専門スクール生最後の締めくくりの場です。

これからデジハリ3DCGコースに入学することを検討している方やすでに入学した方は、早いうちに先輩方の卒業制作発表会を見た方がいいです。

Youtubeライブでやっているので、アーカイブを見直すのもあり。
(注:限定公開のため、デジハリ学生しか視聴できません)

良くも悪くも刺激を受け、専門スクールで3DCGを学ぶことの現実を知ることができます。

私の素人目で感じたことではありますが、
それぞれの作品から感じられる熱意やクオリティに大きな格差があり、微妙なクオリティの作品の方が多かったことに衝撃を受けました。

パワーを感じられる作品を見ることができて刺激を受けた

一目見て「すごい!」と思える作品と出会えることができて、とても励みになりました。

特にすごいと感じた作品は以下の3つ。

〇高層ビル群を背景に空飛ぶ自動車が飛び交うアニメーション

フル3DCGで近未来の都会の風景をとてもリアルに描いていました。
スターウォーズの惑星コルサントの風景を彷彿とさせるハイクオリティな映像。
飛行するメカの一つ一つのデザインも独特で、細部の造形にこだわりを感じました。

〇飛行能力のあるスノボで都会を飛び回るアニメーション

簡単に言うとエウレカセブン的なアクション。
縦横無尽に飛び回るアニメーションが迫力満点でした。
アニメーションだけでなく、カメラの配置にも工夫を感じ、主人公のアクションを引き立てているのが素晴らしかったです。

〇魔法少女の変身アニメーション 

個人的に一番気合が入っていたと思う作品。
プリキュアばりに濃い演出が盛り込まれた2分間の変身シーン。
キャラをかわいく見せるためのエフェクトやカメラワークは本家に迫るものがありました。
総じて作者の愛を感じさせる作品でした。

動画やスクショが載せられないのが残念です。。。
本気でやればここまでのものが作れるのか、と希望を抱かせてくれる作品の数々でした。
これぐらいのクオリティの作品を私も作れるように頑張らないと。

エフェクトに特化した作品もあった。こういう切り口もあるのか

個人的に意外だったのが、炎や冷気などのエフェクトに特化した作品を発表していた方が多かったことです。

講師のコメントを聞いてみると、入学当初からエフェクター志望で、一貫した作品づくりをしていたとのこと。

確かに、昨今のゲームやアニメでは迫力のあるエフェクトを多用しているため、エフェクターの需要は今後ますます高まっていくと思いますし、それ専門で活躍するのもありかも、と思いました。

早々に自分の得意分野を見つけて、それに特化したデモリールを制作するのは、就職活動の戦略としても良い手だなと感じました。

あまり熱意を感じられない作品も多かった

一方で、中途半端な状態の作品が多かったことに驚きました。

モデリングをアピールしているのにテクスチャが貼られていない作品や、再生時間が20秒ほどしかない作品、メイキング動画で再生時間を水増ししている作品など…

卒業制作作品は就職活動で自分の技術力をアピールするための重要な作品だと私は認識しているのですが、これはさすがにまずいのでは? と思ってしまう作品が想像以上に多かった印象がありました。

個人的に熱意を感じられた作品は、全体の3~4割程度でした。
もっと多くの人がプロに負けないような作品づくりをしていると思っていたので、少し期待外れでした。

熱意をあまり感じられない作品の割合が多い理由を考察してみた

私も一年後には卒業制作を公に発表しないといけない身分です。
そのため、今回の件から学びを得るためにも、なぜ中途半端な作品が多かったのかを考察してみました。

1. テーマを決めるのが遅くなったため、卒業制作に費やす時間が少なかった

講師の方のコメントでも、どんな作品を作ればいいかなかなか決められなくて、結果的に卒業制作にあまり時間をかけられなかったと言われている方がいて、そのように評価されている方が一人や二人ではなかったと記憶しております。

2. 仕事や学業が忙しくて卒業制作に時間を割けなかった

CG/VFX専攻や3DCGデザイナー専攻は、大学とのダブルスクールの方や社会人の方が多く入学するコースです。そのため、本業の方が忙しくなって卒業制作に時間をかけられなかった方が少なくなかったようです。本業と3DCGの勉強の両立の大変さを感じました。

3. 新型コロナの影響

今回卒業制作作品を発表した方々は新型コロナ感染拡大に直撃した世代のため、3DCGの学習に多大な悪影響を受けた結果、卒業制作に集中できなかったという方もいると思います。
こればかりは、どうしようもない災害としか言えず、同情するしかありません。

4. 3DCG制作が肌に合わなかった

言葉は悪くなって申し訳ないのですが、どうしてもやる気や誠意を感じない作品というものが少なからず見受けられました。
3DCGの勉強は、一度つまづくとついていけなくなる人が出てくるとデジハリの先生もおっしゃっていました。
つまづいても、そこで解決策を探していく努力をし続けられるほど、3DCG制作へのモチベーションを高く持てなかった人たちというのは、どうしても一定数出てくるということを感じました。

卒業制作の対策を立ててみた

卒業制作を迎えるにあたっての対策を立ててみました。

・卒業制作で何を作るのかを早めに決めておく

テーマを決めるのが遅かったのが原因で作品のクオリティを上げられなかった方が多かったということは、逆に早い段階でテーマを決めておけば、スケジュールに余裕が生まれ、作品づくりにかける時間が増えるということになります。

入学前、もしくは入学3か月後の静止画課題の提出までには「こんな作品を作ってみたい」というものを決めて、中間制作・卒業制作で一貫したテーマの作品作りをするのが効率が良いやり方だと思います。

実際、講師コメントでも早々にテーマを決めた人はスムーズに作品作りに取り組めており、クオリティが高いとおっしゃっていました。

・CGの映像制作において、どの分野が自分に向いているかを早めに見つける

将来、CGの映像制作のどの分野で活躍するかを先に決めて、その分野に特化した卒業制作を進めるというのもありだと思います。上で紹介したエフェクター志望の方のエフェクトに特化した作品が良い例ですね。

アニメーションが好きならアニメーションに特化した作品、モデリングが好きならモデリングに特化した作品、エフェクトが好きならエフェクトに特化した作品といった具合です。

やりたいことが決まっていれば、迷うことなく作品作りに取り組めるので、効率よく制作を進められます。

・卒業制作で忙しくなる時期は、なるべく仕事の予定を入れないようにする

これは人によってはコントロールできない内容かもしれませんが、
卒業制作で忙しくなる時期は大学に出席する授業が少なくなるように調整するとか、バイトを減らすとか、仕事の残業を減らす等、卒業制作に費やす時間を増やす努力をなるべくすべきです。

さいごに

今回のデジハリの先輩方の卒業制作作品を見て、積極的に取り組めた人の作品とそうでない人の作品とで天と地ほどのクオリティ差が出ることを知り、受け身で勉強していたら悲惨なことになるということを思い知らされました。

この記事を書いている私も一年後には当事者になるので、自分への退路を断つ意味であえて厳しい内容にしました。

高い入学金を払っており、絶対に3DCGデザイナーになる!という思いがあるので、どうしてもプロレベルの技術を自分のものにする必要があるからです。

この記事を読んでくださったデジハリ入学希望の方やすでに学生になっている方も、受け身で勉強することの恐ろしさを感じて気を引き締めていただけると幸いです。

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